ここ北陸・坂井市は、今日も安定の「どんよりグレー」な空模様です。
時にふっと温かくなって「おっ、春か?」と勘違いしそうになりますが、外に出ればキリリと冷えた空気が肌を刺す「三寒四温」の真っ只中。
春はまだ近いようで遠い、もどかしい距離感ですね。

それでも、我が家の庭では冷たい土の奥で何かがムズムズと動き出そうとしている、静かな気配を感じます。
枯れ色の庭、冬を越えた作物を眺めながら、思わず独り言が漏れてしまいました。

「去年は本当に、ごめんな……」

私の家庭菜園1年目は、作物たちへの「ごめんね」が積み重なった、ほろ苦い記録でした。
今回は「50歳からの自由研究」第1回として、私が去年の失敗から何を学んだのか、そして雪が解けた今、どんな「先回り作戦」を始めているのかを深掘りしてお届けします。


1. 猛省。私の「ありのまま」は、ただの「放置」だった

家庭菜園を始めたばかりの頃、私は「ありのまま、自然のままが一番」という言葉を、自分に都合よく解釈しすぎていました。

  • 水さえあげていれば、勝手に育つはず。
  • 肥料さえあげていれば、実はなるはず。
  • あとの面倒は土と太陽がみてくれるでしょ(丸投げ)。

そんな風にのんびり構えていたんです。
しかし、現実は甘くありませんでした。私に「栽培」の基本が欠けていたせいで、作物たちは静かに、でも確実に悲鳴を上げていたのです。

【事例1】ザクロの「ぬか喜び」事件

庭の片隅にあるザクロ。初夏にはパッと目を引く鮮やかなオレンジ色の花をたくさん咲かせてくれました。「これは秋が楽しみだ!」と胸を躍らせていたのに、一週間もしないうちに花がポトリ、ポトリと地面に落ちていく……。
結局、秋になっても実は一つもなりませんでした。ただ立ち尽くすことしかできなかったあの日の虚無感は、今も忘れられません。

【事例2】大葉(シソ)の「バサバサ」事件

「大葉なんて勝手に増えるよ」という知人の言葉を信じ、水やりだけで放置。結果、わっさわっさと葉は茂るものの、触ればゴワゴワ、食べれば香りがなく、しかも虫食いだらけ。とても食卓に出せる状態ではありませんでした。

【事例3】ゴーヤの「一発屋」事件

ツルばかりが勢いよく伸び、グリーンカーテンとしては立派でしたが、肝心の実がおバケのように巨大なものが数個獲れただけで終了。収穫量は期待を大きく下回りました。

【事例4】いちご・そら豆の「タイミング」事件

いちごは「芽かき」や「葉かき」のポイントがわからず、気づけば葉っぱとランナー(茎)がジャングル化。そら豆は収穫のタイミングを逃し、気づいた時にはサヤの中で腐らせてしまうという失態を演じました。

1年目の私は、作物たちのサインに気づく余裕すらありませんでした。


2. 室内で進めた「答え合わせ」:あの子たちの言い分を聞く

寒さで外に出られない数日間、私はスマホや図鑑を片手に、去年の敗因を徹底的に調査しました。
これがいわば、私の「自由研究」の核心です。調べてわかったのは、私がいかに「あの子たちの声」を聞き逃していたかという事実でした。

① ザクロがへそを曲げた「2つの真犯人」

あんなに花が咲いたのに実がつかなかった理由は、主に2つありました。

  1. 受粉のタイミングと「雨」
    ザクロの開花時期は、北陸ではちょうど梅雨と重なります。雨が続くと花粉が水に濡れて重くなり、うまく運ばれなくなります。その結果、受精不良を起こして実にならずに落ちてしまうのです。
  2. 窒素過多による「枝ぼけ」
    良かれと思ってあげていた肥料が仇となっていました。葉を茂らせる成分(窒素)が多すぎると、木が「実を作るよりも、まずは体を大きくしよう!」と勘違いしてしまうのです。これを専門用語で「枝ぼけ」と呼ぶそうです。

研究結果: 雨の日に家の中でぬくぬくしていた私。ザクロは外で、誰かが花粉を運んでくれるのを、あるいは雨を避けてくれるのを待っていたんです。

② 大葉とゴーヤに足りなかった「ひと手間」

「勝手に育つ」と思われていた彼らにも、実は明確な言い分がありました。

  • 大葉の栄養不足:水やりだけでは土の栄養が枯渇し、葉が硬くなって香りが落ちます。適度な追肥(ご飯)が必要だったのです。
  • ゴーヤの「子作り」戦略:ゴーヤは親ツルをただ伸ばすだけでは実は増えません。「摘心(てっぺんを摘む)」をして脇のツル(子ツル・孫ツル)を増やしてあげないと、メス花がたくさんつかない仕組みだったのです。

3. 2年目の新戦略:心地よさを整える「先回りコンシェルジュ」

調べていくうちに、家庭菜園の本当の楽しさは「自然に任せる(放置する)」のではなく、「あの子たちが心地よく過ごせる環境を、少しだけ先回りして整えてあげること」にあるのだと気づきました。
季節の合図に合わせて、そっと寄り添う。そんな「先回り作戦」をカレンダーに書き出しました。

🌿 2月後半〜3月のお世話攻略メモ

作物名今がやる時「先回り」期待できる効果
いちご古い茶色い葉の除去 & 2月下旬の追肥風通しを良くし病気を防ぐ。5月の実を甘く大きくする。
ザクロ混み合った枝の整理(剪定)日当たりを改善。でも花芽を切らないよう先端は残す。
そら豆支柱の準備 & 3月の摘心予約倒伏を防止。栄養を実に集中させる。

特にいちごの追肥(お目覚めのご飯)は、平均最高気温が10〜12度あたりが目安だそうです。
「まだ寒いから」と油断しがちですが、この「寒いうちのひと手間」が収穫時の喜びを左右するのです。


4. 土をさわる、一緒に育つ。50歳からの新しい視点

去年の失敗を振り返っていて、ふと思ったことがあります。
こうして計画を立て、準備をしている時間は、北陸特有のどんよりした冬の空の下でも、春に向けた「希望の仕込み」になっているのだということ。

2年目の私の菜園テーマは、「作物のサインに気づく」に決めました。

何をすればいいかわからずテンパって、ただ闇雲に水や肥料をあげるのはもう卒業。
時間の許す限り長靴を履いて庭に出て、芽の膨らみ、葉の色、土の乾き具合……そんな変化をゆっくりと楽しむ。
作物をお客さまだと思って、最高の環境を整える「コンシェルジュ」のような付き合い方をしていきたいと思っています。

明日、あなたが庭でできること

もし明日、少しでも日が差したら、庭やベランダに出てみませんか?
雪が消えた土の端っこで、いちごが小さな新しい葉を広げようとしているかもしれません。

「去年はごめんね。今年は一緒に歩もう」

そんな気持ちで土に触れるだけで、きっと去年とは違う景色が見えてくるはずです。


5. 皆さんの「やらかし」も教えてください!

私の失敗談を読んで、「実は私も……」と思い当たる節があった方も多いのではないでしょうか?
家庭菜園は、失敗の数だけ発見がある、大人にとって最高の「自由研究」です。

皆さんの庭にある「やらかし思い出」や「今年こそは!という作戦」があれば、ぜひコメント欄で教えてください。
一人で悩むより、みんなで「答え合わせ」をしたほうが、きっと美味しい実りへの近道になります。

のんびり、ゆっくり、2年目の菜園ライフを始めていきましょう!


次回の予告:
第2回は、大葉やゴーヤが「ジャングル」にならないための、「夏の引き算の知恵」について詳しくお話しします。
「なぜ実は若いうちに獲るべきなのか?」「ジャングル化を防ぐカットの極意とは?」
去年、庭を密林にしてしまった私と一緒に、攻略法を学びましょう。お楽しみに!

(追伸)
2月下旬、いちごの追肥。まだ寒いからと油断せず、最高気温12度の日を狙って長靴を履こうと思います。私は今日、そのために長靴をピカピカに磨きました!


📩 おしらせ:もっと「心の声」を覗くなら

今回の失敗を経て感じた、ちょっと切ない「本音のエッセイ」は、noteの方に綴っています。
「どうしてあの日、私は外に出られなかったのか」——そんな泥臭い私のつぶやきに興味がある方は、ぜひのぞいてみてください。

👉「ごめんな」から始める、2年目大作戦。


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